ようやく出会えた運命の人
そう言うとゆかりちゃんは首を横に振って、一言一言絞り出すように話し始めた。
「違うんです、この涙は・・・嬉しくて。先週「付き合ってください」と言ってくれたのも嬉しかったのに、結婚のことまで言ってくれて。」
「私ももちろん、結婚を考えて婚活をしていました。それでもなかなかこの人だなって人はいなくて。でもとしおさんと出会って、すごく気が合う人だなって、直感で分かったんです。」
「でも、付き合ってまだ1週間ですし、そうやっていってもらえるとは思っていなかったから。もちろんそうなればいいなって思ってはいましたけど…だから…余計に嬉しいんです!」
ゆっくりと、でもその言葉には強い気持ちが込められていた。
ゆかりちゃんの気持ち。
同じ気持ち。
無意識にゆかりちゃんの手を取り、
「ありがとう…嬉しいよ。」
そう言って肩を抱き寄せる。
そして、自然に唇を重ねた。
・
・
・
「じゃあ、一緒に退会しよっか?」
「そうですね、すっかり忘れてました(笑)」
そして二人でスマホを手に取り、『結婚を考えている』にチェックをして【退会する】ボタンを押した。これでyoubrideから正式に退会ということになった。ありがとうyoubride!
「ゆかりちゃん、そろそろ?」
「はい、冷えてきましたし。」
寝る準備をして布団へと向かう。
しゅんくんはぐっすり寝入っている。
時間は23時頃。
2人はそれぞれの布団・・・ではなく、同じ布団に入った。
そこには緊張という二文字はもはや存在しない。
二人の世界。二人だけの世界。
私とゆかりちゃんは、大人の関係、男女の関係になった。