2人が出会った婚活サイト
照明を落とし、月明かりだけに照らされた広縁は、趣のある、二人だけに用意された空間のように思えた。
話が弾む、というよりは、この静けさが支配した空間の中で、ゆっくりと、初めて過ごす二人だけの時間を噛みしめる。電話とは全く違った最高の時間を、今過ごすことができていた。
いくつかの言葉を交わした後、思いついたように言葉を発する。
「あっ、そう言えばさ、youbrideってそのまんまにしてあるけど、ゆかりちゃんってどうしてる?」
この空間においては突拍子もない質問だったが、
「私もそのまんまですよ。としおさんと出会ってからはログインもしてません。」
と返してくれた。
「じゃあさ、一緒に退会しない?旅行まできておいて当然だけど、もうゆかりちゃんのことしか考えられないから。」
そう言うとゆかりちゃんはこちらの目を真っ直ぐに見て、
「もちろんです!私も同じ気持ちですから、一緒に退会しましょう。」
そう決意に満ちた表情と言葉で応えてくれる。
そして2人でyoubrideへログインした。