正直な気持ち
時間にしては僅かだっただろう、せいぜい10秒あったかないかくらいだろうけど、その間にぐるぐるといろんなことが頭に浮かんでは消えた。
こうなったらもう、勢いだ!
「じゃ、じゃあ、選んで進もうか。ただ退会するだけなのに細かいことまで聞かれるんだね~youbrideって。」
ゆかりちゃんは黙ってこちらの言葉を聞いている。
待っているのだろうか?
「ゆかりちゃん!」
思わず大きな声が出た。
その声の大きさに驚いたのか、ゆかりちゃんはビクっとしてこちらを見つめる。
「俺達、先週付き合い始めたばかりだけど、元々は単なる恋人探しじゃなくて、婚活ということで真剣に始めたものなんだ。それは同じだと思っているけど、だからって曖昧にしてちゃいけないと思う。」
「もちろんこれからいろいろ考えないといけないことはあると思う。ただ・・・これだけはハッキリ言っておくね。」
そうして間を置き、ジッと見つめ合った。
「ゆかりちゃんとの結婚を考えている。いや、これまでのことは結婚を前提にしていたし、付き合ったり、この旅行に誘ったりしたのもいい加減な気持ちじゃないから!結婚を考えてるからこそだよ。」
すると・・・ゆかりちゃんの目には涙が浮かんでいた。
「えっ?ゆかりちゃん?急にゴメン、でも、正直な気持ちだから。」