二兎を追う者は一兎をも得ず
ひなちゃんとのやり取りはのんびりとしているものの、朝1回、夜数回とちょうど良い感じで進んでいた。
「としおさん、お疲れさまです。今日は仕事終わりに近くのカフェへ友達と行ってきましたよー。何回か行ってるトコだけど美味しいし、楽しかった!としおさんは今日どうでしたかー?」
「ひなちゃん、お疲れさまです。友達とカフェへ行ったんだね。楽しかったなら何より☆どんなところか興味ありますよ^^私のほうは仕事で隣の〇〇市まで行ったりで、ドライブを楽しんだ1日でした(笑)ドライブとか好きですか?」
うーん、いい感じだ。気を良くし、かれこれ4日間返事がない愛ちゃんへ再度メッセージを送ることにした。
「愛ちゃん、こんばんは。忙しいかな?もしLINEに抵抗があるなら、このままOmiaiでやり取りしても全然OKだよ。急にLINEのこと聞いちゃってごめんね。」
相手から返事がないのに連続でメッセージを送ることは追撃といって良くないみたい。それでもなんかもやもやしていたし、ひなちゃんと順調にいっているからどうなってもいいや!みたいな勢いで送ってしまった。
それからまたひなちゃんからLINEがきた。ひなちゃんのホーム画面が見慣れないアニメ?の絵だったので、聞いてみた。
「これはエウレカセブンですよ。ご存じないですか?面白いですよー。」
アニメもホント幅広くていろんな種類があるから、全然分からなかった。最近のは全然知らないなんて、いかにも年寄りの発言みたいで言えない。まあいずれバレるんだろうけどと思いつつ、無難に返事をしておく。
しばらくして通知がきた。LINEではない。それはOmiaiだった。誰かいいね押してくれたのかなーと携帯を見てみると・・・まさかの愛ちゃんからだった!一気にテンションが上がりすぐさまログインする。
「返事遅くなっちゃってすみませんでした(汗)LINE全然OKです!むしろLINEのほうがいいです。登録しますね。」
これまた青天の霹靂、嬉しい誤算だ。
絶対嫌われたんだと思っていただけに、テンションは最高潮に↑
「としおさんですか?愛です、よろしくお願いします。」
「はい、としおです!こちらでも気軽にやり取りしましょう。よろしくね^^」
二兎を追う者は一兎をも得ずというが、まさかの展開になってきた。婚活は長い期間かかるとネットで見かけるけど、すぐに終わるかもしれない!?そんな妄想を広げながらやりとりは続いたのだった。