夕食の場所
気付くと店も何もない、山間部へと入っていた。行きはここでトイレハプニングがあったが、それはもう大丈夫。しかし夕飯の場所を考えていない・・・どうしたものか。
「めぐちゃん、夕飯は何か食べたいものある?」
「何でもいいですよ。」
一番困る返答だ。でも、ここはお言葉に甘えよう。
「じゃあめぐちゃんの家の近場まで戻って、その辺の店へ行こう!俺も結構その辺の店は知ってるし。」
「はい、そうしましょう。」
そして1時間程の道中は話が止まることなく、談笑を続けた。ほとんどがめぐちゃんの仕事の話、家族の話、趣味の話だったが、私は聞く方が得意なので全然苦じゃなかったし、むしろ楽しかった。
めぐちゃんも楽しそうに話をしていて、とても良い時間だったと思う。
山間部を抜け、徐々に街の灯りが出てきた。店はどうするか。急な話だったので、迂闊にも何も考えていなかった。いきなりかしこまったトコに行くのも変だし、飲み屋も行けないし、うーん。
頭を悩ませていると、めぐちゃんから
「としおさん、本当にドコでもいいですよ。」
助け舟だ! いや、女性の本当の気持ちは分からない。少なくともこの時私は言葉をそのまま受け止めていた。
「じゃあファミレスでいい?」