帰り道の談笑
商業施設を出ようとすると、渋滞でなかなか出られなかった。時間帯がちょうど、夕飯の買い物を終えた主婦や家族連れだったのだろう。辺りは徐々に暗くなってきていた。秋の夕暮れは早い。
「休日って混むんですね。私普段は平日休みだから、こういうのほとんど経験したことないんですよ。」
「そうだね、休日は大体こんな感じになっちゃうかな。俺は慣れてるけど。」
「そう考えるとやっぱり平日休みでいいかなって思っちゃいます。混んでない時に出掛けられるのっていいですよ。としおさんは土日休みでしたっけ?」
「土日祝日休みだよ。ずっとこの生活だから慣れちゃった(笑)」
こんな他愛もない話をしながら、気付くと渋滞を抜けて市街へと出ていた。まだ聞いていなかったことを聞いてみる。
「そういえば今更だけど、めぐちゃんって名字なんて言うの?」
「さあ、なんでしょう?」
いたずらっぽい顔で返してくる。
「うーん、アプリでイニシャル表記がM.Iさんだったから・・・「い」だよね。じゃあ・・・伊藤さん?」
「ぶっぶー違います(笑)」
「じゃあ・・・石田さん?それとも飯田さん?」
「残念でした(笑)」
こんなやり取りを繰り返す。当たるのは運なんだけど、単純なやり取りがとても楽しく思えて、手当たり次第に挙げていく。しかし当たらない。
「・・・じゃあ言いますね。正解は・・・池○でした!」(伏字ですいません^^;;)
「池○さんか~そりゃ当たらないよ(笑) あんまり聞かない気がする。」
「そうですか?じゃあとしおさんは何て言うんですか?」
夕飯の場所も考えていないのに、話に夢中になってただただ車を走らせる。