気を取り直して挽回を図る
駅から店までの道のりは下調べしているので大丈夫。さっきのことで動揺していたため、下調べしていなかったらヤバかっただろう。そこで店の場所が分からずにあたふたしてしまえば、きっとアウトだった・・・と思うと冷や汗をかいた。
とはいえデートはこれから、気を取り直して早速話しかけていく。
「まだ寒いですね。でも天気が良くて本当に良かった。」
「そうですね、まだコートが手放せません。」
「私も昔〇〇市には住んでいたんですよ。この辺りに来るのは初めてですけど、やっぱり都会ですね。ともこさんはずっと〇〇市でしたよね?」
「はい、ずっと〇〇に住んでます。都会ですか?いろいろ便利ですからね。」
「こないだのお笑いライブも大阪まで行ってましたもんね。結構あちこち行かれるんですか?」
「あちこちというか、大阪が多いですね。気になる芸人さんだと他のところも行きますけど。としおさんはどうですか?」
「私はほとんど行ったことないんですよ。お笑いはテレビばかりで・・・やっぱライブは違いますか?興味はあるんですけど、なかなか1人で行く勇気は無くて。」
「全然違いますよ!ライブは臨場感があってハマりますよ。」
そんな話をしているとあっという間に店に着いた。
「着きました、早速入りましょう。」
そう言って扉を開けると、まだお客さんは一人もいなかった。
「予約をしていた△△です。」
そして席へと案内された・・・が、思っていたのと違う光景が目に飛び込んできた。