メイさんとお見合い④
するとメイさんらしき人はこちらを見据え、
「はい、そうです!とるてさんですか?よろしくお願いします!」
そう言って礼儀正しくお辞儀をした。やはりメイさんだった。
これまで本名を教え合っていないのもおかしいが、このまま会話を続けるのも変に感じたので、とりあえず呼び名を変えることにする。
「こんにちは、とるてこととしおって言います。」
「としおさんって言うんですね。私は"りえ"って言います。」
「りえちゃんって言うんだね。じゃあ早速ご飯食べに行こっか?」
そうして駅構内の飲食街へと向かって行った。
この駅の飲食街は多数の飲食店があることもあって、特に予約をしていなかった。これはりえちゃんも了承済みだ。ところがさすが昼時、どこもかしこも混み合っている。歩きながら雑談を交わしていった。
すると一店舗、少しだけ席に空きがある店が目に入る。
「りえちゃん、あそこ席空いてるよ。ここでいいかな?」
そう言って軽食っぽい店を指差す。
「はい、いいですよ。ここにしましょう。」
そしてすぐさま席を確保した。席はカウンターのようなところで、2人で横に並び合った。とりあえずメニューを開いて注文を決める。
さあ、ここからどうしようか?心の中では葛藤がありつつも、りえちゃんとの会話が始まった。