2回目のデート⑬
最後は普通に話をするくらいに戻っていたが、なんだかこのまま分かれるのには抵抗があった。次の予定も決まっていないし、不安になってくる。しかし無情にも集合場所に到着してしまった。
「としおさん、ありがとうございました。楽しかったです。」
ここはビシッと決めるべきだと思い、思い切って行動に出た。助手席にいる愛ちゃんの腕を取り、目を見て伝える。
「愛ちゃん、こちらこそありがとう。連絡待ってるから。」
愛ちゃんは急な出来事に動揺していた。
「は、はい。連絡しますね。あ、ガソリン無くなりそうですよ。」
「ん?ホントだ。ガソリン入れて帰るよ。」
上手くはぐらされた感じだが、そうして握った腕を離した。
そして愛ちゃんはいそいそと車を降り、
「としおさん、気を付けて帰ってくださいね。」
こちらに手を振って歩いて行った。
「愛ちゃん気を付けてね。バイバイ!」
こちらも姿が見えなくなるまで見ていた。そしてここからまた2時間あまりかけて帰ることになる。
帰り道、どうも心の中がもやもやしていた。なんだろう?前回はこんなことなかったのに。上手くいかなかった?次の約束が取れなかった?頭の中が混乱していた。お世辞にも気分良く楽しかったという状態ではない。
そんな気持ちを抱えたまま、あっという間に家に着いた。気分はイマイチだったが、愛ちゃんへメールを打つ。
「無事に家に着きました。今日もありがとう、楽しかったよ。また連絡待ってるね。」
あまりだらだらと書かず、端的に打った。もう時間は0時に近かった。いつもはすぐくるメールも今日は来ない。もう遅いからかな?
既読かどうか確認するのが怖くてそのまま布団に潜り込んだ。