眠気と酔いと迷い
眠気と酔いで頭がボーっとしていると、
「としおさん!なんか私ばっかり喋ってますね。としおさんもなんか話してくださいよ。」酔っ払っためぐちゃんからの一声に、一気に酔いが覚める。
「ああ、ごめんごめん。話聞くの好きだから全然構わないんだけど、そうだね・・・」
急な振りもあってか頭が回らない。
それから話した内容はほとんど覚えていない。共通の話題はあるが、それは今までもたくさんしていたし、そのネタを出してもあまり続かなかったような気がする。ラインのやり取りと実際に会うとでは、テンポが違うから当然なのかもしれない。
途中でお互いがトイレに行ったり、ドリンクを注文したりという区切りはあっても、どうも場が軽いというか、話が深まっていかなかった。
私自身の心に迷いがあったからかもしれない。当初は心のどこかに、夜はあわよくば・・・という気持ちも全くなかったわけではない。話そうと思っていた離婚の話もできた。でも、なぜだろう?
その後のことは考えられなかったし、今日はもういいかな、という気持ちが湧いてきていた。しかし機も逸し、ただただ、だらだらと時間だけが過ぎていった。