午前様デートの結末
そしてどちらからともなく、
「そろそろお開きにしましょうか。」
ということになった。時間は既に0時を回ろうとしていた。
外に出ると風は冷たさを増し、体が冷えていく。心は意に反して既に熱を持っていなかった。
「めちゃくちゃ寒いね。めぐちゃん、迎えもうすぐ来る?」
お開きになった段階で、めぐちゃんは家族の人に電話をしていた。
「もう冬みたいですよね。私こっからそんなに遠くないですし、迎えもうすぐくるはずなので大丈夫です。」
それから間もなく、離れたところに1台の車がやってきたのが見えた。
「あ、来たみたいです。としおさん、今日はありがとうございました。」
「こちらこそ遅くまでゴメンね。ありがとう、楽しかったよ。またね。」
そう言って歩いて行く後姿を見送った。
酔いはすっかり覚めていた。今日の最大の目的は達成できたけど、何か満たされないものがあった。でもまだ今日は2回目のデート、結論を出すのには時期尚早だろうし、とりあえず休んでからいろいろ考えてみよう。
複雑な気持ちを抱えつつ、思考を巡らせながら、その場を後にした。