ゆうちゃんとカフェデート⑤
やたらと飲んでいたのが目に入ったのか、はたまた気を遣ってくれたのか、ゆうちゃんの提案はありがたかった。水まで飲み干してしまってはどこか気恥ずかしい。
「そうだね、もう一杯飲むよ。」
そうして店員を呼び、珈琲をもう一杯追加で注文する。
そしてこちらから話の続きをしようとすると、ゆうちゃんのほうから話し始めた。
「それで別れちゃった理由なんですけど・・・一言で言えば若かったですね。就職して、結婚して、出産して。あっという間に過ぎていったんですけど、最後のほうは喧嘩ばかりしていました。としおくんはどうして別れちゃったんですか?」
「それは大変だったね。俺も一言で言えばモラハラが原因かな。一応言っておくと、暴力・浮気・ギャンブルが原因ではないよ。相手がヒステリックな人で、ずっと耐えてたんだけど限界を超えちゃった。こちらがほとんど言わなかったのも逆に良くなかったのかもしれない。」
ゆうちゃんは真っ直ぐこちらの目を見て話を聞いていた。
「一緒です!私もモラハラが酷くて・・・。でも私の場合は口に出しちゃうタイプなので、それで喧嘩になってました。としおくんスゴイですね。私だったら絶対言っちゃいますよ。」
そう言ってもらえるととても嬉しかった。共感してくれたこと、耐えてたことをなじられなかったこと、ゆうちゃんは同じような境遇で感性も似ているのかな。