自然に口をついで出た言葉
そう考えると益々いい加減な気持ちではいけないな、と思う。元々そんなつもりはないけれど、これまでの婚活経験からはどうしても悪いことも考えてしまう場面だった。
それでも、ゆかりちゃんに関しては100%安心できる「何か」があった。
むしろ私よりもゆかりちゃんのほうがその覚悟は持っているだろう。大切な子供がいる身、いい加減な気持ちではそのようなことを承諾するはずがないし、いわゆる「TV等で目にするようなシンママ」には思えなかった。
そのようなことを考えていると、自然と言葉が口をついで出た。
「そうだよね、一泊旅行だもんね。」
「ゆかりちゃん、俺、もちろんいい加減な気持ちでこんなこと提案しないよ。電話でいろいろ話して、そして今日こうやって会って、確信したよ。」
ゆかりちゃんはじっとこちらの目を見つめている。
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「付き合ってくれませんか?」
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ゆかりちゃんは驚いたような表情でこちらを見つめていた。
それもそうだろう、まさかこの話の流れで告白されるとは思っていないだろうし、告白した私自身も驚いているのだから。