2回目のデート⑪
これ以上遅くなってはお互いにとって良くない。そう考え切り出した。
「愛ちゃん、もう19時だしそろそろ切り上げよっか?」
愛ちゃんは特別慌てる様子もなくこう言った。
「分かりました。あと2,3曲だけ歌わせてください。」
そう言って慣れた手つきでデンモクを操作していった。
・・・店を出る頃には19時半を回っていて、少し急ぐ形で車に向かった。日はほとんど傾き、夜がすぐそこまで迫っている。車を運転しながら思考を巡らせていた。
「今日も楽しかったよ、ありがとう。」
「こちらこそありがとうございました!楽しかったです。カラオケ最高ですね。」
愛ちゃんも楽しんでくれたようだ。
好感触だったので意を決して素直に伝えてみる。
「今回は3週間空いちゃったし、やっぱ2週間に1回くらいは会いたいな。」
すると思いがけない反応が返ってきた。
「え?そんなにですか?」
一瞬言葉を失う。
それでもなんとか言葉を繋いだ。
「多いかな?平日は会えないしと思って。来月はいつが都合良い?」
「来月は予定入ってるから難しいですね。」
そう言ってスケジュール確認のためか携帯を取り出す・・・が、すぐさま閉じてしまった。
「そうなんだ。じゃあまた都合の良い時教えてね。」
「携帯充電無くなっちゃった。あの時地図見たからかも~。」
どうやら昼間に道に迷った時、地図を調べたことを言っているようだ。・・・それを言うならポケモンGOのせいだと思うが・・・とはもちろん言わない。