悪魔のささやきに身を委ねる
「何?何?どうしたの?」
ひなたくんもれんくんも矢継ぎ早に質問を繰り出す。申し訳ないな・・・と思いつつも、ゆうちゃんにお願いする。
「ごめん、あとちょっとだけ話、いいかな?」
ゆうちゃんはなんとか説得して子供たちをまた車内へと誘導してくれた。
あまり時間は取れないな。
ゆうちゃんも疲れている様子。しかしこの場を逃してしまっては、またしばらくモヤモヤした日を過ごさねばならなくなってしまうだろう。
そんな思考に支配された私は自分をコントロールすることができなくなり、悪魔のささやきに身を委ねて自分を解放することにした。もうこうなってしまえば勢いに任せるのみ。
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「ゆうちゃん、今日は本当にありがとう。子供たちと一緒に過ごしてみて、とても楽しかったし、もっと仲良くなりたいって思ったよ。ホントいい子達だね。それに、ゆうちゃんの母親としての姿も見れて、今日はとても良い一日だったよ。」
ゆうちゃんはただただ静かにこちらの言葉に耳を傾けていた。眼差しはしっかりと私の眼を見ている。
「今日一緒にゆうちゃん達と過ごしてみて、みんなと真剣に関わっていきたいって思った。だから・・・」
そうしてゆうちゃんの眼をしっかりと見つめ返す。
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「俺と付き合ってくれませんか?」